大判例

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福岡高等裁判所 昭和42年(う)443号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕検察官の控訴趣意第一点(法令適用の誤り)について。

本件重過失傷害の過失の内容は被告人は自動車を運転した経験もその技術も持たないのに自動車を運転したという注意義務違反であつて、右運転行為の際の本件無免許運転や酩酊運転はなんらその内容をなすものではなく、一方無免許運転と酩酊運転とはその処罰の目的を異にしているのであるから、本件重過失傷害罪と無免許運転の罪と酩酊運転の罪とは、同一の運転行為の際に犯されたとしても、観念的競合ではなく、併合罪の関係にあるものと解するのが相当である。右三罪を観念的競合と解すると、一個の運転行為中に犯された過失傷害罪や各種道路交通法違反罪が一罪として取り扱われ、右の中の一つの犯罪の既判力が他の犯罪に及び、違法行為禁圧の目的を達しえない結果となることがある。原判決引用の福岡高等裁判所昭和四一年九月二日判決(集一九巻五号五八三頁)は、事案を異にし、本件に適切でない。

したがつて、右三罪を観念的競合であるとした原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあり、原判決は破棄を免れず、論旨は理由がある。(塚本富男 安東勝 矢頭直也)

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